内気と外気の循環
自分の内側の気を「内気」とすると、自分の外側にある気は「外気」です。
内気と外気は循環しています。
自分の内側の気=内気
自分の外側の気=外気
自分が生きる力を「生気(しょうき)」といい、仏教の言葉にすると「自力(じりき)」です。英語では「Power」と解釈します。自力は、内気から外気に向かう方向性を持っていて「生きようとする力」です。「生きよう」とすると外気は「活かそう」としてきます。「生きる力」に「外気の活かす力」が働いてきます。活かそうとする力を「活気(かっき)」といい、仏教の言葉にすると「他力(たりき)」です。英語では「Force」と解釈します。
生きようとする気=生気=自力=Power
活かそうとする気=活気=他力=Force
内気から生きようとする気が立ち上がり、外気がそれを受け止めて、外気は活かそうとする気を与え、内気はそれを受け止めて、また内気から生きようとする気を立ち上げる。生きる力に応じて、活かされる力があり、それを「生活」と呼びます。生活とは、内気と外気の循環です。この流れを止めないことによって、人間は能力を最大限に発揮して、生きている実感と、幸福感を得られます。
生気+活気=生活
よく「この会社は活気が無い」「このチームは活気が無い」等という言葉を耳にしますが、活気が無いというのは、活かそうとする気が無いという事です。
どのようにしたら活気が出るのか?
それには、まず生気を立ち上げる事が必要です。
「生きる気」の発動がなければ、「活かされる気」は与えられません。自力である生きる力に応じて、外気から活気が与えられます。気の原点とは「生きる力」であるということです。
しかし、この世に生を受けて生まれて来たということは、既に「活かされる気」を与えられていると考えることができます。与えられた環境、与えられた身体、与えられた人間関係。与えられたものを認識して、与えられたものを活かすところから人生は始まります。例えば性別、両親、育った環境は変えることができません。このような変える事の出来ないものを宿命と云います。宿命を恨み、宿命を蔑ろにしていては、与えられたものを活かすことが出来ません。
親子関係に於いて不満や恨みを持っている人、自分の生い立ちや生まれ育った環境に不満や恨みを持っている人、自分の身体や性別に不満を持っている人。宿命に不満や恨みを持っている人が、病気で苦労したり、お金で苦労したり、人生に幸福感を感じられない理由は、与えられたものを活かしていない人生であるというのが理由として大きいのではないでしょうか。
活かそうとする気を受け取っているか?
生きようとする気を立ち上げているか?
やりたい事が無い、やりたい事がみつからない、というのは、「生きようとする力」が立ち上がっていないことを意味します。「生きようとする力」を立ち上げなければ、自分を活かしてくれるものは与えられません。
一方で「チャンスが無い」「誰も協力してくれない」と言いうのは、与えられたものを活かしていないから、自分が活かされる環境が与えられないということです。本来の生きる道では無い方向に進もうとしている可能性があります。どちらにしても、宿命を乗り越えて、与えられたものを活かすための「生きようとする力」を立ち上げる必要があります。「生きようとする力」を立ち上げなければ、自分の運命を開拓する事はできません。
自分が外気の時もある
外気とは何かというと「自分以外の全て」です。目の前の環境、人、物、役割、仕事、全てが外気です。目の前に相手が居る場合、相手の内気を中心にすれば、自分(私)が相手にとって外気になります。
自分から見た外気=相手
相手から見た外気=自分
人間社会の中において「生気」を立ち上げるのは、いつも自分(私)とは限りません。自分の周りにいる誰かが「こんなことをしたい!」「こんなことをがんばりたい!」と、「生気」を立ち上げて生きようとしている時に、自分(私)に、その人を活かす力があるのならば、その人に対して「活気」を与えることもあるでしょう。私たちが生きているこの世界では、常に「生気」と「活気」がコラボレーションしています。
活気が無いというのは、一人一人が「生気」を立ち上げていない状態で、お互いに「活気」を与えようとしない状態です。つまり、与えられる役割や環境に不満があり、与えられた「活気」を受け取っていない事が原因です。
職場やチームに活気が無いと感じた時は、職場やチームの中に、与えられたものを受け取れない不満があります。活気の無さに気付いた人が、不満を取り除くために「生気」を立ち上げて「活気」を与えてください。
スタートはいつも自分の「生気」です。生きようとしてない人に食べ物を差し出しても、生きることが出来ないのと同じように、自分が「生きる気力」がなければ、宇宙も地球も周りの人達も、自分(私)を活かす力を発することができません。まず、自分が既に活かされている事に気付き、生きる力を立ち上げることから人生は動き始めます。